PROFILE

ねねのものがたり

 

ものがたり写真家 ねね
平松 ゆかり
1975年名古屋生まれ 名古屋育ち
 

原点

一番古いカメラとの記憶は幼少期。

母がよく写真館で家族の写真を撮る人だったのに加え、
叔母が年に1,2度、当時は珍しかっただろう一眼レフカメラで撮影をしてくれたこと。

趣味が高じた叔母の「小さなモデル」として、10 歳頃まで撮られていたことが
時を経てカメラをごく自然に、人生に引き寄せてくれました。

 

子離れできない母を卒業して、私の世界を、みつけたい

社長に憧れて、この人のもとで働きたい!という願いがかなって以来
システム開発会社のお客様サポートスタッフとして10年以上勤める暮らしの中で、
ふと無趣味のまま大人になり、母になってしまったことに気づきました。

そんなことに気付いた当時、趣味の欄に書いていたのはなんと「子ども。」

子どものことが好き。
子どもと楽しく過ごすことが好き。

もちろんそれは、決して悪いことではなかったけれど
気づけばいつの間にか自分の世界は「お母さん」一色、
「子どもが好きすぎて子離れできない母親」への道をまっしぐら。

これではいけない。何か自分の世界を持とう。
そう思ったときから、趣味探しが始まり、

自分に合ったペースで没頭できるもの、
一生続けられるものはなんだろう?

そう問いかけ、消去法を続けていった先に残ったものは「カメラ」

その時、歳を重ねても一眼レフカメラを手に持ち、
幼かった時の私を撮影してくれた叔母の姿がふと蘇り

「カメラなら、いくつになっても、年を重ねても、続けられる。」
よし、これからは、カメラ・・・・写真を、趣味にしよう。

一生できる趣味として、
2012年、年の瀬に「カメラはじめます!」宣言。

翌2013年、年明けには中古の安いCANONの一眼レフを手にしてカメラライフをスタートさせました。

 

写真を作る楽しさを知った、カメラ部との出会い

オート機能でしか撮影していなかった当初、地方ラジオ番組の“大人の部活プロジェクト”で募集していたカメラ部に参加、カメラの使い方を教えてもらい、撮影の面白さに開眼。

当時カメラ部の顧問だったのが、写真家の秦義之さん。

雑誌Number等を撮影する写真家として有名な秦さんの、硬派ながらも力強さと繊細さを感じる写真に魅せられ、ファンに。
憧れの存在から、写真の切り取り方など、様々な技術やコツを吸収、作品作りの楽しさを学びました。

「日常を日常らしく作り込んで作品にすることもできるよ。」

という秦先生の言葉から、ただ撮影するだけではなく、構成なども考えながら、ひとつのアートとして、
「日常らしい作品」を作り込んで撮影する楽しさを知ってゆく。

パンをかじりながら通学。ありそうでなさそう。でもつい想像してしまう、日常のような1枚。

 
人を撮るのが好き。

そう気付いてからは、娘の成長記録も兼ねた撮影を続け、以後毎年開催される写真展にも出品、中学2年~高校3年という、思春期とともに子どもから大人の女性へと生きて育ってゆく娘の姿を取り続け、作品としても出品する5年間を過ごしました。

これまでの出展・受賞 経歴
・2014年 グループ展「8人の人展」 出展
・2016年 Central Photo Contest2016 入選
・2016年 グループ展「cross-over」 出展
・2018年 Central Photo Contest2018 入選

写真を「作品として」作ろう。そう思った初めての時から一緒に考え、モデルになってくれた娘は、チームメンバーのような存在。
今でも撮影をしたい、というと自然とモデルになってくれる、頼もしい存在です。

 

一人の写真家との出会い~写真は未来をも写す、ものがたり~

趣味が「子ども」だった、お母さんどっぷり生活から
『カメラ、写真という私の世界』をどんどん楽しみ始めた2016年、
友人のSNSで一人の写真家の存在に出会います。

それが、人柄写真家TSUGUさん。

いつの間にか写真は「撮るもの」で「撮られること」からは遠ざかっていたこの頃。

彼の撮影した写心を見て心が動かされてしまう。

ただ、その人の姿が写されただけではない
その人自身・・・生きてきた人生、心までがやさしく写し出されるような、そんな
「ものがたり」を感じる写心、その人がいきいきとキラキラと輝くような1枚を前に

「私も、撮られてみたい」
「この人に撮ってもらえたら、人生が変わるかも知れない」

そんな予感を抱いてしまう。

ただ、当時はまだ自分自身をまるごと好きではなく、
「心の準備が出来たら、痩せたら撮ってもらおう」と撮影に対しては逃げ腰。
その存在を気にし続けながらも撮影を見送る日々を送ります。

TSUGUさんの写心に出会ってから1年以上経ったある時

「痩せてから撮ってもらおう、じゃなく
撮ってもらうから痩せる、きれいになる
痩せたら撮ってもらおう、って思っているなら、今撮られにおいで」

という彼の言葉を偶然SNSでキャッチ。
まるで自分に言われているようだと、この言葉を機に撮影されることを決心、春の100人撮影へ。

出来上がった写心に映る私は

自分ではない自分みたいで

でも

「何かを始めようとしている自分自身」の予感をそこに感じてしまったのです。

子どもの頃、いじめられたこともあってか、
あまり自分を出さずに周りに合わせる自分自信を好きになれず、
いつの頃からか「写真は撮られたくない」そう思っていたけれど

写心に写し出された自分を見つめていたら

「これまでを生きてきた今の自分、それも案外、悪くないよね。」

そんな風に自分のことを受け入れられるようになり
これから先に広がっていくだろう、「未来の自分のものがたり」にワクワクとする自分に、出会ってしまった。

そしてまた

私がTSUGUさんの写心撮影を通して、自分を受け入れ、未来への希望を感じることが出来たように
私の撮影を通して、「今の自分も、悪くないな」
そんな風に思って自分を、自分の人生を大切にできる人が増えたら。
写真を通して、自分を受け入れ、自分の望む人生に挑戦できるようになったら。

そんな関わりが出来たら、私は、幸せかもしれない。

そんな気持ちが、芽生えます。

 

好きなことをして生きる人生を、選択したい。

10年以上企業で勤め続けてきた自分自身と、
趣味として始めて、好きになった写真を撮り続ける自分と。

そして

写心に写し出された
「自分の人生というものがたりを生きていこうとしている私の姿。」

この撮影がきっかけとなり

「好きなことを仕事にしてもいいのかも知れない」という想いが大きくなり、自問自答の日々へ。

続けてきた仕事も後輩が育ち、もう私がいなくても会社は回る。

このまま定年までここで働く人生でいいんだろうか?
どんな働き方なら、私はずっと働き続けられるんだろう?

私の人生は、このままでいいの?
せっかくの人生、好きなことを仕事にしないでいいの?

答えは、NO。

やっぱり、好きなことで仕事をしたい。しよう。

時を同じくして、好きなことを仕事にして生きている人たちとの出会いに恵まれ
ランニングスクールの代表やコーチの方々、写真のモデルを引き受けてくれた、モデルさんなど望む生き方をしている人たちに相談し、後押しもしてもらい。

「好きを、仕事に」の気持ちが、確かなものへ。

2018年秋、仕事をやめて、カメラマンとして一本で生きていくことを決意し
12年間勤め続けた会社を退職。

初めて一眼レフカメラを手にしてから8年。

撮影を通して出会った人たちは300人以上、
10万枚以上を撮影してきたその経験も胸に、
2019年より、フリーカメラマンとしての活動を開始。

 
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写真は、自分の今を出し写し教えてくれるツール。
その1枚に映し出された自分を、どう変えていくのはその人次第だけれど。

人はみんな、大きくも強い生命力とともにこの世に生まれて、
それぞれの、覚悟や夢を持って未来へと生きていく。
時にはそれを見失ってしまうこともあるかも知れないけれど

人は、本来、強くて美しい。

だれもが、自分の人生を生きている、その「ものがたり」を持っているからこそ

写真にも、その人の人生のものがたりと、
その人の生きる力、未来に向かって生きていく強さをも写し出したい。

そして、お一人お一人が、撮影を通して、自分を認め受け入れ、ご自身の人生の新たな可能性の扉に気づき、好きなことで活躍してゆく、その一歩を踏み出すことを応援したい。

ものがたり写真家としての願いです。

 
プライベートでは、「カメラマンには体力が必要」と痛感、ホノルルマラソンをはじめ、毎年1回以上フルマラソンに出場し完走を続けるランナー。
2018年はホノルルマラソン完走。
2019年も、走ります。
人生も、カメラと共に「ものがたり写真家」として、走り続けます。

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